コレクターとは収集家のことを意味し、コレクターにはある特徴的傾向が見られます。
これは心理を読み解くことで、コレクターの特徴的傾向も理解できるようになってくるわけですが、そんなコレクターの心理について分かりやすく、お伝えしていきます。
またコレクターといっても、病気との関係性を疑わなければならない症状なども存在するので、そういった注意すべき部分に関しても、事細かく見ていくことにしましょう。
目次
コレクターの心理
優越感を得たい
よく自慢する人というのは、自分の素晴らしい部分を知ってもらいたい、または知ってもらうことによって優越感を得ようとしているわけですが、コレクターの心理には、これと同じような心理が働いています。
要は、他人が持っていないものを持っていたり、それに関する知識が豊富であれば、人は他人より自分の方が優れているという感情が得られ、優越感を得ることができるのです。
コレクターの心理には、このように優越感との関係性が非常に強いと考えられています。
同属優越感
そんな優越感の中でも、同属優越感というものが存在し、これは簡単に言えば、「他人が持っていないレアな物を手に入れることで、優越感を感じれる」という意味であります。
最初のうちは、コレクションしていくことによって、自分はこのジャンルにおいては他人より優れているという優越感を得ていますが、やがてライバル的存在ができると、人は同属優越感を求めるようになるのです。
故にコレクターは、日常では使うことの無いような物であっても、驚くような値段のレアな物を買ってしまうことに繋がってくるというわけです。
これはアプリなどで、友達と差をつけたい人がレアなカードを手に入れたいがために、課金してしまう心理と同じ心理であり、レアな物を手に入れたことによって、自分の方が優れているという感情に浸りたい心理が見られます。
達成感を得たい
達成感を得ることによって、人が得るものとはどのようなことであると思いますか?
当然達成感を得ることによって、自己満足することができるわけですが、実はそれだけではありません。
人はコレクターとなり達成感を得ることによって、「心に溜まったモヤモヤが解消され、すっきりとした気持ちになる」ことができるのです。
つまりコレクターになることによって、「心の中にあるわだかまりが、一気に解消される」わけです。
これをカタルシスと言いますが、このカタルシスは医療でも使われることがありますし、スポーツや話を聞いてもらうだけでも、カタルシスの効果を得ることができます。
よく身近に感じるカタルシスとしては、「感動モノの映画を見て泣いたら、気持ちがすっきりした!」という経験がある人は多いでしょうが、これがカタルシス効果であるのです。
脅迫概念
脅迫概念とは、不安や不快な感情を伴う観念のことを言い、簡単に言い換えると、「レアな物を手にしなければ、負けてしまう」という不安や、「レアな物を持てば自分が強くなることができる」という心理のことを言います。
こちらもゲームに課金する人を例に挙げると、非常に分かりやすいですよね。
ゲームに課金する人というのは、新たな強いキャラクターが出ることで、自分が弱くなってしまうかもしれないという不安が付きまとい、コレクターのようにどんどんとお金をつぎ込んでしまうわけです。
そして強いカードが手に入れば、同属優越感を得ることができますので、結果的に依存症となってしまう人が後を絶ちません。
不安がどうしても頭から離れないような症状が見られる場合は、強迫性障害の可能性も疑う必要もありますが、そういったことに関しては、後々詳しくお伝えすることにしましょう。
また不安を無くすということは、安心感を得るという事にも繋がりますので、コレクターの心理には安心感を得たいという欲求も隠れているといえるでしょう。
自分の世界観に浸りたい
例えば「自分がもし戦国時代に生きていれば、どんな戦をしただろう?」という考えから、コレクターとなり、休日になればその世界観に浸り、頭の中でストーリーを構想する人もいます。
妄想に浸ることは実際に楽しいことですし、頭の中で楽しいことを想像することは、たくさんのメリットもあると言われています。
子供がおもちゃでよく、自分がヒロインという設定で怪獣などと戦っていることがありますが、いわばこれと同じような心理が働いているのです。
コレクターは男性に多い
よく既婚者女性が、旦那が意味の分からない物のコレクターで…と嘆くようなシーンを、テレビなどで目にしますが、コレクターが男性に多いのにはしっかりとした理由があります。
その理由は、「男性は大昔から家族を守り、大黒柱として戦う必要があった」ことは、狩りをしていた時代などを見ていても、分かることかと思います。
そんな男性本能には、「自分が他人より優れたものを持つことで、自分や家族を守れる。さらには自分が強くなる」といったことが関係していると考えられ、そのため男性の方がコレクターが多いのではないかと考えられています。
もちろん女性にもコレクターは存在しますが、男性の場合、以下のような特徴が見られます。
- 使いようのない物でも集める
- 同じものを二つ購入する
ここが同じコレクターでも女性が理解できない部分であり、男性は使いようのない物を集め、さらに飾っておくために同じものを二つ購入するといった傾向が強く見られるのです。
女性に見られる傾向
女性の場合は、男性と違い、以下のような特徴が見られます。
- 使いようがある物を集める
- 自分を飾る物を集める
上記のような特徴が見られ、女性の場合は男性のように一目でわかるコレクターというよりも、使いようがある物を集めるために、どんどんと消費していき数も減るので、言われなければ分からないケースも見られます。
男性と違い、女性は使うことが目的であることが多く、男性は鑑賞用にコレクターすることが多くなります。
コレクターに多い性格傾向
完璧主義
完璧主義という言葉を見ても分かる通り、完璧に集める=コレクターと周りから認定されてしまう可能性は、当然あるわけです。
完璧主義な人は妥協することが難しく、他人にも同じように完璧を求めてしまうために、非常にストレスを抱え込んでいる傾向が見られ、生きていくのが辛くなってしまうことも珍しいことではありません。
結果にこだわり過ぎた挙句、驚くほどのコレクターとなってしまっていたケースも、比較的多く見られるのがこの性格に多いです。
レアな物が好き
こちらは女性よりも男性に多く見られる傾向にあり、レアな物が好きという人は、同属優越感を感じることを求めているので、見栄っ張りであるケースも多いです。
他人がなかなか手に入れることができないものを手に入れ、相手に自慢することで、優越感を感じるメリットがある一方で、プライドが高いなどのデメリットも見られます。
見栄を張ることは悪いことではありませんが、自分を破滅させない程度にしておかなければ、嘘つきと周りから呼ばれる日も遠くはありません。
物への執着心が強い
物への執着心が強い人というのは、物を簡単に捨てることができずに、特に思いれのある物となれば、捨てることはより難しくなってしまいます。
物への執着心が強い人の場合、大好きな物が1つできてしまえば、次から次へと買い足すのはいいのですが、捨てることができないので、結果的に家の中が物で溢れてしまうといった傾向が強く見られます。
好きな物は好きなだけ集めることは賛成ですが、他人に引かれるデメリットもあるということを、頭の片隅に入れておくといいでしょう。
負けず嫌い
負けず嫌いな人の中には、とにかく一番で居続けたいという人もいて、安い物からレアな物までをコレクションすることによって、勝った気分に浸りたいという人もいます。
負けず嫌いな人の特徴としては、向上心が強い、自慢話を聞くのが嫌い、負けを自分のせいにしない、などの特徴が見られますので、あなたも負けず嫌いな性格であった場合は、コレクター予備軍であるという可能性も考えられるのです。
収集癖がある
収集癖があれば当然コレクターになりやすいです。
気に入ったものを集めたいと思うことは、人としての本能であり、これは誰しもが持っている本能なのです。
ですから、誰にでもコレクターになる可能性というのは、存在するのです。
病気を疑うケース
強迫性障害
強迫性障害とは、「自分の意に反して、不安あるいは不快な考えが浮かんできて、抑えようとしても抑えられない(強迫観念)、あるいはそのような考えを打ち消そうとして、無意味な行為を繰り返す(強迫行為)」のことを言います。
この強迫性障害の症状の1つに、物を捨てることができない、物を集めすぎる、物を整理できない、といった溜め込みの症状が見られます。
強迫性障害の症状は他にも存在しますので、以下にまとめておきましょう。
- 手洗いを入念に繰り返す
- 何でも数を数えてしまう
- アルコール除菌がないと嫌だ
- 戸締りやガス元など、何度も確認
- しつこく詮索してしまう
- 自分が完璧か、何度も確認する
- 収集癖がある
上記のような特徴が見られ、強迫性障害と診断された人のおよそ四割程度の割合で、将来的にはうつ病と診断されてしまいます。
また、強迫性障害は15歳~40歳くらいの間に症状が発症しやすいと言われ、そこそこ年代の幅が広いといった特徴も見られます。
アスペルガー症候群
アスペルガー症候群には、主に3つの症状が見られます。
- ルールが理解できない
- コミュニケーション能力の障害
- 収集癖がある
上記の3つの症状が見られ、レシートやおもちゃなど、珍しい物のコレクターであり、そこには強いこだわりがあったりもします。
当然珍しい物コレクター=アスペルガーというわけではありませんが、職場で同じミスを繰り返したり、人間関係のトラブル、遅刻が多いなど、社会不適合者であると診断されてしまうことが多いのも、このアスペルガー症候群の特徴となります。
依存症
何らかの依存症によって、コレクターと化してしまうことは、決して珍しいことではありません。
例えば買い物依存症の場合、当然使えきれないほどの服を購入してしまいますし、何より今の時代はネットで買い物ができるための、比較的女性に多く見られる傾向にあります。
依存症から抜け出すことは非常に難しく、また借金をしてまでも同じことを繰り返してしまうことが多いため、もしも依存症が原因でコレクターとなってしまっている場合は、治療を考えてみることも必要となります。
比較的軽視されがちな依存症だけに、放置してしまう人が多いのです。
認知症
ゴミ屋敷に住むおじさんなど、テレビで一度は目にしたことがある人も多い、認知症とゴミ屋敷の関係性。
認知症を発症すれば、物の区別がつかないのは当然のこと、本来はいらないものまで買いってきてしまうなどの症状が見られますので、結果的にかたずけられなくなり、ただのコレクターと化してしまうのです。
もしもあなたの知り合いのお年寄りの方が、綺麗な家からゴミが散らかる家に変わっていたのであれば、認知症を疑う必要があるでしょう。
認知症は早期発見が非常に大事であり、車の事故防止などにも繋がります。
以下に症状をまとめておくので、疑いがある場合はすぐにお医者さんに相談しましょう。
- 同じことを繰り返し言う
- 約束の日程、時間が分からない
- 計算ができなくなる
- お風呂に入らない
- 同じ服を着るようになった
- 忘れ物が多くなる
- 怒りっぽくなる
- 落ち着きがなくなる
上記のような初期症状が見られ、軽い病気でないことは分かっているだけに、あなた自身も認知症防止効果がある方法を、いくつか実行しておくといいでしょう。
好きな物は集めれば良い
いかがだったでしょうか。
コレクターが悪いなんてことはあり得ないことであり、自分が幸せを感じれたり、生きがいとなるのであれば、一つのことを極めることは何も悪いことではありません。
もちろん中には、生活に支障が出てしまっている人もいるかもしれませんが、そういった人は、「なぜ生活に支障が出るまでコレクションしてしまうのか?」ということを考え、自分自身を見つめ直さなければなりません。
こういったことが原因で、離婚してしまう夫婦も実際に存在するので、自分の生活に支障をきたさない程度に、コレクターの道を楽しめればベストではないでしょうか。
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