打算的な人という言葉を聞けば、あなたはどのようなイメージを浮かべるでしょうか。
打算的の意味は「何事も自分にとっての損得を考えて行動すること。計算高いこと。」という意味となりますが、こういった打算的な人というのは、相手をイラッとさせることが非常に多いといった特徴が見られます。
そんな打算的な人の心理的メカニズムを知り、自分だけが損をしたように感じない対処法などを、この1ページではお伝えしていきます。
目次
打算的な人の心理
低コスト.高報酬
打算的な人というのは、低コスト.高報酬を得たいという心理が見られ、常に自分が得をするように考えて行動に出るために、結果的には多くの人に嫌われてしまうことになってしまうことが多いです。
そんな打算的な人の心理的メカニズムとは、以下のような損得勘定が働いていると考えることができます。
高報酬−低コスト=自分への成果は大
上記の例を見てもわかるように、打算的な人というのは、自分には大きなメリットを得ることができるのに対して、相手にも同じようなメリットをもたらそうとしない、という心理的メカニズムが見られ、結果的に相手に損をしたかのような気持ちにさせてしまうことが多いです。
もう少しイメージしやすいように、打算的な人によく見られる行動例を、1つ挙げてみることにしましょう。
①金欠だし、最近仲良くなった友達にご飯を奢ってもらおう!
②次に君が金欠の時には奢るし、今日は奢ってくれない?お願い!
③数ヶ月後、やあA君!数ヶ月前にご飯奢ったし、今日は奢ってよ!
④よ〜し、横にあるコンビニで100円のパン奢るよ!
⑤心の声「えっ…俺は前に1000円もする定食奢ったのに,,,」
上記のような行動を意図的に行い、相手が与えてくれた報酬に対して、自分は低コストで済ませるような行動を起こしてしまう人こそが、打算的な人であるというわけなんですね。
次のページでは、そんな打算的な人の特徴を挙げていくことにします。
打算的な人の特徴
計算高い
打算的の意味でもある計算高い人とは、損得や利害に非常に敏感な人であるといった特徴が見られ、常に損得勘定で動いてしまう癖がついてしまっているケースも珍しくありません。
そんな計算高い人というのは、社長などの社会的地位が高いと思われる人に対しては、急に態度を変えたり、○○との友達づきあいは無駄であるといった、損得ばかりで人付き合いをする人が典型的な特徴であるといえます。
こういった計算高い人ほど、腹黒い人であったり、世渡り上手な一面が見られることもある一方で、計算が狂ってしまったり、そもそも計算が甘かった場合には、目的が相手にバレてしまい、最終的には自分にとって損ばかりであったということもあり得るので、頭があまりキレない人であった場合、上手くいかない自分にイライラしてしまうこともしばしば。
損得にて決断を下してしまうことは誰にでもあることですが、損得勘定ばかりで動くことが、最終的に自分にとって良い方向に転がるのかといえば、必ずしもそうであるとは限らないのです。
図々しい
打算的な人というのは、最初から自分が得することを理解した上で行動に出ているので、図々しい一面があるともいえます。
図々しい人ほど、相手の気持ちを考えようともせずに、自分の利益ばかりを考えているものですが、打算的な人というのは、図々しい人が計算高くなったバージョンであると例えると、非常にわかりやすいでしょう。
図々しい人の場合は、恥を知らずに厚かましいという表現が正しく、打算的な人の場合は、損得を考える計算高さがある、という表現が正しいといえます。
例えば、打算的な人の場合だと、今後の人間関係を考えない人に対しては、図々しい態度をとり、自分が一方的に得をするような行動をとることがありますが、今後の人間関係を考えている人の場合は、そのような態度は決して見せようとはせずに、自分が最終的に得するような関係へと発展させようとします。
サイコパシー
人口の1%を占めると言われるサイコパスですが、サイコパスという言葉を聞くと、あまり良いイメージを持たない人が多いでしょう。
サイコパシー特性が見られる人というのは、反社会的パーソナリティであるがゆえに、凶悪犯罪を犯してしまうような人であるというイメージを持つ人が多いですが、確かに凶悪犯罪を犯したサイコパスと言われる人は、世界中を震撼させるような事件を起こしています。
さらにこのサイコパシー特性が見られる人は、共感性や罪悪感が乏しい特徴が見られますので、自分にとって利益になることばかりを追求するといった傾向が見られるのです。
一方で、サイコパシー特性に見られる衝動的な行動というのは、結果的にヒーロー扱いされてしまうこともあり、アメリカのセオドア・ルーズベルト第25代大統領や、ジョン・F・ケネディ大統領などは、恐れ知らずの大統領として有名であり、そういったサイコパシー特性が見せる恐れ知らずな支配性が、政治家などに高く評価されることもあるのが、この世の中というものなのです。
打算的な人が嫌われる原因
社会的効果理論
社会的交換理論とは、G.C.ホーマンズが提唱した理論であり、「人と人とは、報酬とコストの交換によって成り立っている」という理論であります。
打算的な人の心理でもお伝えしましたが、打算的な人というのは、この報酬とコストの交換が釣り合わないがために、一方的に相手が損をしたという感情を抱かれやすいわけです。
結果的に、打算的な人ばかりが高報酬を得て、相手側は高コストに対して低報酬しか得られないために、嫌われてしまうということに繋がります。
しかしながら、世の中には一方的に損しているようにも思える関係が、長期間続くというパターンも存在するわけですが、その理由についても以下に説明しておきましょう。
社会的交換理論とは、実は2つの種類に分けることができ、①物質的な利害関係(外的報酬)②心理的な利害関係(内的報酬)があります。
一方的に損をしているように見える人であっても、関係が長続きするパターンというのは、②心理的な利害関係によって、「打算的な人を助けることで、自分は満足感などを得て、喜びを感じている」がゆえに、関係がなかなか崩れることはないというわけなんですね。
よく、一方的に貢ぐだけの関係に頭を悩ませる人がいますが、可哀想だといった理由で打算的な人を支援してしまい、結果的に依存してしまう関係となってしまっていることが原因の1つであると考えられます。
嫉妬心によるもの
打算的な人が嫌われるケースというのは、何も損をしてしまった相手だけではありません。
SNSを使って悲劇のヒロインを演じ、異性にちやほやされるコメントを目にしたことによる嫉妬心が、嫌いになってしまう原因である可能性も考えられるのです。
打算的な人というのは、計算高い一面が見られるということを何度もお伝えしていますが、これも一種の計算高さであります。
よく合コンなどで、計算高い女がモテると言われますが、こういった人の中にも、打算的で常に自分に満足できる結果ばかりを求めている人がいて、常に低コストで高報酬を求めている人が必ずいると想定することができます。
罪悪感と共感性の欠如
打算的な人の特徴でもお伝えしていますが、サイコパシー特性が見られる人というのは、人を利用して自分の利益を得ようとします。
さらにその利用していることに対して、罪悪感があまりなく、さらには共感性に欠けているので、相手を深く傷つけていることに気づいていないケースも多くなります。
このような、自己中心的で無神経な行動に対して、嫌いという感情を抱くことは、自分を守るためにも当然のことなのです。
打算=悪は間違い
ここまでは、打算的な人=悪い意味で使われることが多いということもあり、悪い意味を中心にお伝えしてきましたが、打算することが必ずしも悪いということではありません。
私たち人間は、誰しも打算をして生きており、自分にとって利益があるのかどうかをしっかりと見極めなければ、騙されてばかりの人生になってしまうからであります。
打算的な人と言われる人で、典型的に嫌われてしまうパターンが、低コストで高報酬を得ることを期待している人である一方で、打算することは、自分の損得を考えることですが、相手の損得もしっかりと考えることができる人であった場合は、お互いにwin-winの関係を結べるために、悪いことではないのです。
しかしながら、あまりにも打算的すぎると、相手に嫌われてしまうことが多くなるのは当然のこと、周囲にも疎まれやすくなってしまう確率が高くなってしまうので、利己的な考えばかりをしてしまうことは、結果的に自分をピンチに追い込んでしまいかねないということを頭に入れておいてください。
打算的な人への対処法
図々しい態度で返す
あまりにも打算的で、自分の損得に関することばかりに執着する人であった場合は、自分も同じように図々しい態度をとってみてみるといいでしょう。
打算的な人であった場合、そのようなお願いが自分にとって損することであるという計算ができるため、イヤイヤ引き受けるのか、それとも断られることが多くなると想定できます。
こういった同じような打算的な行動をとってみることによって、相手にとってあなたは敵であり、自分の利益となるような存在ではないと感じ、今後の関係に大きな変化がみられることが期待できます。
また、頼まれると断れないという人であった場合は、その場で交渉をしてみて、同じように自分が低コストで高報酬を得られる条件を出してみると、社会的交換が釣り合うために、自分だけが一方的に不愉快な思いをすることを避けることもできます。
利己的な考えは避けよう
いかがだったでしょうか。
打算的になることは、常に自分本位で考えてしまうということになりますので、結果的に利己的な考えへと繋がってしまうことが多くなります。
もしもあなたが嫌われずに、上手く人間関係を構築していきたいと思うのであれば、ぜひ社会的交換理論を覚えておいてください。
人というのは、報酬とコストの釣り合いによって、損得を考える傾向があるので、どちらか一方に偏り過ぎないように心がけることが大事となります。
高報酬を求めるのであれば、それなりのコストを払うことで、関係というのは長続きしやすいのです。
また、「人によって態度を変える人の心理~成功失敗の事例10選」もセットで読んでみましょう。
人によって態度を変えることが、計算高い人であるという見方をする人もいますが、実はあなたも無意識のうちに、人によって態度を変えているという事実をご存知ですか?
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